バク転反応 続き

まず今のホメオパス達が主張しているバク転反応
…もとい好転反応オルガノンに書いてある内容とはほとんど全然全く違う。

ハーネマンはその著書オルガノ*1の中でhomeopathic aggravation(ホメオパシー的悪化)をあくまでも軽い悪化と定義している。

§157
レメディーを服用した直後から一時間又は数時間続いて軽い悪化を引き起こすのはよくあることである

§158
急性の病気が一回の投与によってほとんど治まることを教えてくれるすばらしい前ぶれ

確かに彼もレメディー服用で悪化が起きることは認めてはいる。
でもでもでも、この後にこう続いてる。

§161
本来の病気を少し悪化させたようにみえる一次作用の症状

ハーネマンhomeopathic aggravationは、同種であるレメディーがヒットした証拠だって考えたから肯定してるんですね。
それにハーネマンが繰り返し強調しているhomeopathic aggravationはあくまでも

服用してから最初の一時間もしくは数時間で生じる
軽くて短時間ですむ

でなくちゃならない。
だから、

治療を続けている期間中、本来の病気が明らかに悪化する現象は現れるはずもない

なわけで、こういうのは明らかに悪化したと考えるのです。
大体ハーネマンはレメディーの過剰投与とか選択ミスによる副作用まで心配してるんですから…ホントに。

巷に溢れる代替医療好転反応を持ちだすのは常套手段なんですけど。
現代のホメオパス達はそれを最大限に利用してます。

ホメオパシーhomeopathic aggravationが元々あったこと。そこにオルタナティブが流行しだした頃の東洋趣味で瞑眩のイメージをプラス、それをガラガラポンすることで好転反応を尤もらしく見せることに成功したんじゃないでしょうか。

結論として何が言いたいか?
たとえ縦しんば万が一ほんのちょっとハーネマンが正しかったとしても…

・2週間も1ヶ月もたってから出るのはhomeopathic aggravationではない
・主訴と関係の無い症状はhomeopathic aggravationではない

これらはホメオパシーとしてすら間違ってるということです。
そして好転反応を持ち出すホメオパスオルガノンを読めてない確率が高いってことも言えるかもしれません。

*1:『改訂版 医術のオルガノン 第六版 サミュエル・ハーネマン由井寅子・日本語版監修 澤元亙・訳 ホメオパシー出版』